材料の伐採から作品の仕上げまで、全てが一人の作家によるこだわりの魚の木彫。


作品製作へのこだわり

このページにいらっしゃったということは、
かなりこだわりをもった方とお見受けします。

さあさあ、作者のこだわり、とことん追及して下さい。


「使っている樹種」について

「魚のヒレ」について

「オイルフィニッシュ」について

「魚眼」について

「木目」について


      
「使っている樹種」について
タカノツメ、ネコノチチ、アセビ・・・。工房木魚で使っている木の名前で
す。
あまり、大きくならないために、木材として流通することはありません。
これら、雑木扱いされる木は、工事などで切り出された場合、焼却処分され
る運命にあります。

しかし、雑木と呼ばれる木々でも、すばらしい個性を持ち、長い年月を経
て、美しい木目や材色を出すことがあります。

アセビは、製材直後は白っぽい赤色ですが、紫外線に当っていくうちに、美
しい緋色へと変化します。
また、ネコノチチは、心材の色が美しい赤色〜オレンジ色を呈します。日本
の木の中で、材色がオレンジ色のものは他に無いでしょう。

役に立たない雑木と評価される木々でも、私にとっては宝の山。使う種類、
使う部分によって様々な表情を見せてくれます。
「魚のヒレ」について
工房木魚では、作品の胸ビレ、腹ビレは掘り出しでは無く、別に作成した後
本体に装着しています。

その理由は2つ。

1つ目は、ヒレを極限まで薄くするため、掘り出した場合、強度が低く、壊れ
やすくなります。特に「STAND」タイプはヒレを脚として使用するうえ、展
示用の箱や額に収容しないため、壊れにくいように工夫する必要がありまし
た。
左右の腹ビレと尻ビレの
 3点支持で自立しています。

しかし、単にヒレを接着剤等で付けただけでは接着面積が少ないため、かえ
って強度が落ちてしまいます。
また、強度が不必要な部分(例えば胸ビレ)でも、長い時間経過と共に接着剤が
劣化し、自然脱落する可能性もあります。

そこで、胸ビレの場合は、まず本体に穴を開け、その中に入れる部分を残し
てヒレを作成することにしました(要するに差し込む形式)。
同様に、腹ビレや背ビレも本体に埋め込む部部を計算して作成することにし
ました。
腹ビレ 腹ビレを差し込む前 腹ビレを差し込んだ状態
胸ビレ 胸ビレを差し込む前 胸ビレを差し込んだ状態
背ビレ 背ビレを差し込む前 背ビレを差し込んだ状態

こうすることで、柱を土台に入れる「ホゾ組み」のような仕口になり、かな
り強度を上げることが出来ました。

2つ目は、ヒレを別に製作すると、ヒレの木目にもこだわることが出来ます。
本体の木目に合わせるように、あるいは、本体とは相反する木目を選んだり
と、自由なデザインの選択が可能となりました。
ヒレの木目の方向が直行したもの
ヒレの木目の方向を平行にしたもの
↑ヒレの木目と魚体の木目を
 直交させたもの
↑ヒレの木目と魚体の木目の
 流れを合わせたもの
「オイルフィニッシュ」について
仕上削りの終わった本体やヒレは、組み立てる前にオイルフィニッシュと呼
ばれる作業を行います。

これは、木材に色をつけるためではなく、材料を「濡れ色」という状態にす
るためです。

オイルで丁寧に磨くことによって、「木」の本来の色を引き出し、魚のツル
ツルした体表の感じがでてきます。

使用しているオイルは、オスモカラーのクリヤータイプで、特に環境や健康
に気を使っているものを利用しています。
「魚眼」について
魚の目は、黒目の部分をハネミイヌエンジュという黒色系の木で、白目部分
をそれぞれの魚にあった木を使って作成しています。

例えば、マンジュウイシモチの場合、白目部分が赤いのが特徴なので、ネコ
ノチチやヤマザクラなどの赤色系の木を使って作成しています。
その他にも、魚によってホオノキ、ヤマグワ、タカノツメなど数種類を使い
分けています。

一方、フウライチョウチョウウオ、フエヤッコダイ、アカククリなど5種類
は、魚眼を黒目だけにしています。
これらの魚には、白目部分に体色の黒い部分が透けて見え、目全体が黒く見
えるという特徴があります。
そのため、白目部分を作ってしまうと違和感が生じたため、黒目だけで作る
ことにしました。
魚眼の説明・白目と黒目・ハコフグ
魚眼の説明・黒目のみ・フウライチョウチョウウオ
↑白目にネコノチチ、黒目にハネ
ミイヌエンジュを使用した作品例
のハコフグ
↑白目を無しにして、黒目にハネミ
イヌエンジュを使用した作品例のフ
ウライチョウチョウウオ

モデルとなっている魚の色を、着色ではなく「木」本来の色で表現するとい
うこのこだわりは、魚眼だけでなく、魚本体にもいえることです。
「木目」について
私の工房で作られる魚たちは、着色をほとんど行わず、木目で魚の模様を表
現するため、原木を製材するところから、かなりこだわった作業を行いま
す。

製材する部分や、方向によって、得られる木目は異なります。
如何に美しい木目を引き出すか、という一点に集中して作業を行います。

製材後は、約3年ほど自然乾燥させますが、複雑な木目部分ほど乾燥中にひび
割れしやすいため、実際に作品用に使えるのは半分程度です。

無事、乾燥を終えた材料でも、期待に反した木目が出てくる場合もあり、原
木1本から魚1匹分の材料が取れなかったことも少なくありません。

厳選した木目から作り出される魚達を、ゆっくりと御覧下さい。




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リアルでシャープなデザインの中にも、かわいらしさが漂う、他には無い逸品。